【パガーニ】ゾンダ アニジャがイギリスでゾンダ エルメスとして生まれ変わった!【ゾンダ】

輸入車

数奇な運命をたどった“異端のゾンダ”

パガーニ ゾンダは1999年の登場以来、数多のワンオフモデルと伝説を生んできたイタリアの超高級スポーツカーだ。その中でも注目されるのが、日本のカスタムチーム「Anija(アニジャ)」が手掛けたワイドボディ仕様のゾンダ アニジャである。

2002年製のZonda C12 S(ゾンダ S 7.0 #76022)として登場したこの車両は、当初シルバーだったボディをホワイトに塗り替えられ、その後にブルーへとペイントされ、ブルーにペイントされた後は3回のボディワークの変更を受けながらワイドフェンダーや大型リアウィング、ワンオフエキゾースト、ワンオフフロントライトなどを備えた姿に大改造された。内装も完全に作り替えられた。

ネイビーにホワイトアクセントが入ったレザーとカーボンが多用された内装
https://anija.biz/gallery/anija-zonda-2021/

2021年の改造を最後に姿を消していたが、イギリスに輸出されたという噂はあったものの、その証拠となる写真やイギリスの誰に納車されたのかも不明だった。そんなゾンダ アニジャがイギリスでZonda Hermès(ロードスター)として生まれ変わったらしい。

転機:英国で“Hermès Roadster”として生まれ変わる

ゾンダ アニジャは2018年頃まで日本のイベントに出展されていたが、最近になってその運命に新たな章が加わった。

Exclusive Car Registryの記録によれば、アニジャが手掛けたこの車両は廃車扱いとなり、新設計のカーボチタニウム(Carbo-Titanium)製シャシーを使った一台へとリビルドされている。

また、クーペだったボディはロードスターへとコンバートされ、ゾンダのワンオフモデル 760シリーズによく見受けられる2段階構造のリアウイングが装着された。

パガーニのファクトリーで撮影された Zonda Hermès(ロードスター)

2023年に再生が完了したこの車両は「Zonda Hermès(ロードスター)」と呼ばれ、デザイン監修はHermès、技術協力にはLMM Designが携わったという。もともとのシャシーナンバー(#76022)はそのまま引き継がれているため、“異国で生まれ変わった”とはいえ過去にアニジャによって改造を受けた個体であることは変わらない。

現在は、クリームレザーになっている内装をブラウンレザーにホワイトステッチへの張替えを待っている。

製作されたばかりのZonda Hermès(ロードスター)
外装はグリーンカーボンファイバーで内装はクリームレザー
https://exclusivecarregistry.com/details/pagani/zonda/88347

近年、パガーニではオーナーがベース車両を提供し、最新のワンオフ仕様に再構築させる動きが相次いでいる。Zonda Hermès Roadsterもその流れに乗ったモデルと言える。極めて希少なゾンダが日本から英国へ渡り、パガーニの手によって再び作り直される――この数奇な運命をたどっているのは、ゾンダの中ではゾンダ S #76022だけだろう。

https://exclusivecarregistry.com/details/pagani/zonda/88347