この車について
2012年3月6日に開催されたジュネーブモーターショーで正式公開とともに出品されたワンオフカー。販売価格は280万米ドル(当時の価格で約2億2,700万円)だった。

フィリッポ・ペリーニへのインタビューの中で、”J “は実際にはJota(イオタ)の略であり、1970年代のワンオフモデルであるミウラ イオタ(SVJ)がFIAの車両分類定義の付属規則 付則Jに適合していたことが由来であると分かった。
オーナーは2022年に1000万米ドル(約15億円)の買い取りオファーを断った。購入時の価格が約2億3,000万円だと考えると、価値はありえないほど上がっていることがわかる。
~デザイン、メカニカル、インテリア、エクステリア~
このフロントウインドウ、サイドウインドウ、ルーフが取り除かれたバルケッタデザインのアヴェンタドールJは、オリジナルのアヴェンタドールと同じエンジンとトランスミッションを搭載している。
エンジンフードはランボルギーニのデザインアイコンであるイプシロン(Y字型)になっていて、カーボンファイバーが使われている。エンジンのヘッドカバーもアヴェンタドール LP700-4と違い、マットブラックで塗られ、レッドでロゴが書かれている。

軽量化のためエアコンやラジオも取り外されている。運転席と助手席の前には、控えめなウインドリフレクターが設けられていて、その間にリアビューミラーを配置している。
インテリアでもカーボンを多用し、ダッシュボードやシートなどがカーボンになっている。シートはこの車だけの特別仕様で、軽量なフォージドコンポジット製のフルカーボンバケットシートになっている。カーボンの多様、エアコンの取り外しなどの軽量化の結果、車両重量は1,575kgで収まっている。

外装色はRosso Efesto(ロッソ・エフェスト)がメインカラーで使われている。
この車のフロントデザインは約1年後に登場する限定車、アヴェンタドール50周年アニヴァーサリーに活かされることになる。
スペック
エンジン | L539 6.5L(6,498cc) 60°V12 DOHC 48バルブ |
最大出力 | 700PS(8,250rpm)/690Nm(5,500rpm) |
トランスミッション | グラツィアーノ製7速ISR(シングルクラッチMTモード付セミAT) |
駆動方式 | Rear Mid Engine AWD|リアミッドエンジン 4輪駆動 |
最高速度 | 347km/h |
0-100km/h | 約2.9秒 |
重量(乾燥重量) | 1,575kg |
ホイールベース | 2700mm |
ドア | シザードア |
生産台数 | 1台 |
デザイナー | フィリッポ・ペリーニ |
ベース車両 | アヴェンタドール LP700-4 (ロードスター) |
個人的見解
ランボルギーニは、過去にバルケッタボディの車を2台作っていたがどれもコンセプトとして発表され、このうちの一台であるガヤルド コンセプト Sの価値は1億~3億とアヴェンタドールJの半分以下の価値であるため、アヴェンタドール Jはランボルギーニのバルケッタボディの車の中では最高額の可能性が高い。
この車は、販売された時から現在までオーナーが変わっていない、ワンオーナー車。オーナーが約15億円の買い取りオファーを断ったということは、ものすごいこの車を大事にしていることがうかがえる。世界に一台しかない車とはいえ、発表から10年ほどで価値は約7.5倍になっていることを考えると、20億円以上の価値がつく可能性が十分にある。