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- 720S Le Mans Edition | 720S ルマンエディション
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この車について
2017年3月7日から開催されたジュネーブモーターショーで発表されたマクラーレンのフラッグシップモデル。発表前の社内コードはP14だった。
マクラーレンが2022年までに15台のモデルを市場に投入するという新計画の一環として発表された初の新型車であり、スーパーシリーズ2世代目を表すためにデザインも一新された。

日本では2017年3月8日に、マクラーレン東京ショールームで初公開された。
日本での新車価格はスタンダードで3,338万3,000円、パフォーマンス、ラグジュアリーはともに3,706万9,000円。
2019年8月に1回目のマイナーチェンジが行われるとともに新車価格が3,461万円に値上げされた。
2022年に最後のマイナーチェンジが行われ、新車価格が3,530万円となった。
デザイン
フランク・ステファンソンとロバート・メルヴィルによってデザインされた。ボディ、エンジン、エクステリアデザインは新しくなり、先代の650Sと比べると約91%が新設計となった。
新しくなったエクステリアデザインは、ホオジロザメからインスピレーションを得ている。空力を追求したエクステリアデザインは、空気抵抗が少なく、650Sよりもダウンフォースを50%向上させている。
先代の650SよりもAピラーを小さくし、ドライバーの視界を向上させている。
マクラーレン F1を彷彿とさせるツインヒンジ式のディヘドラルドアが採用された。

ツインヒンジ式ディヘドラルドアは、ルーフ上にもヒンジがあるのが特徴的。
SLRマクラーレン以来のツインヒンジ式ディヘドラルドア。ツインヒンジ式ディヘドラルドアは、ルーフ上にもヒンジがあるのが特徴的。

メカニカル
720Sのシャシーに採用されたモノケージ IIと呼ばれる新しいカーボンファイバー製タブは、650Sよりも18kg軽量化され、AピラーからBピラーがセンターピラーによってつながったことにより、剛性も向上した。

720Sに採用されたアクティブサスペンションシステム、プロアクティブ・シャシー・コントロールIIは、650Sに採用されたシステムの進化版で、従来型よりも16kg軽量化されている。
新システムは、ダンパー上部に加速度センサー、下部に圧力センサーを備え、走行状況をリアルタイムで車載コンピューターに伝え、最適なサスペンションセッティングを実現する。このシステムには、ケンブリッジ大学の博士課程で得られた知見が反映された。
720Sは、650Sに搭載されたM838Tを進化させたマクラーレンの新型エンジンM840Tを搭載している。そのため、M838Tの排気量が3.8L(3,799cc)に対し、M840Tが4.0L(3,994cc)となり、パワーを含め、エンジンパフォーマンスが向上した。
マクラーレン伝統のエアブレーキ機能を有する可変式リアウイングは速度域に応じて高さが変わり、収納することも可能。
675LTに似た2本出しエグゾーストが採用された。

アイソケットデザインのヘッドライトにはエアベントが隠されており、流入した空気をホイール前方にある小型ラジエーターへと送っている。
ディヘドラルドアはダブル・スキンと呼ばれる構造になっており、F1に使われていたバージボードと同じ機能を持ち、バージボードから発生したエアフローによって、ダウンフォースを発生させるだけではなく、先代650Sと比べ約15%増というエンジンの冷却効果を得ることを可能にした。

ダブル・スキン構造が採用されたディヘドラルドアのおかげで、サイドエアインテークを設ける必要がなくなり、前後のオーバーハングが短くなったため、車幅感覚のつかみやすさにも貢献している。

ドライビングモードはドライブトレイン、ハンドリング、サスペンションそれぞれがTRACK(トラック)、SPORT(スポーツ)、COMFORT(コンフォート)の3つから選択可能となっている。
TRACK(トラック)は、その名の通りサーキット走行を想定したモードで、足回りが固くなり、ステアリングやシフトスピードがシャープになる。
SPORT(スポーツ)は、トラックとコンフォートの間のモードとなり、トラックだと固すぎる…という悩みを解決し、高速道路などのスポーツ走行を楽しくさせる。
COMFORT(コンフォート)は、街乗り向けのモードとなり、乗り味がソフトになる。

ドライビングモード以外にも720Sから可変ドリフト・コントロール機能が備わり、タッチスクリーンから設定が可能で、ドリフト角度を設定すると誰でもドリフトが楽しめる。
インテリア
インテリアは、モダンとレースから着想を得た要素を融合させたデザイン。
アルカンターラとBridge of Weir製レザー、カーボンファイバートリムが標準装備となった。Bowers and Wilkinsのオーディオシステムと固定式カーボンファイバー製レーシングシートはオプションとなっている。
折りたたみ式のドライバーディスプレイは、ガソリンメーターなどの様々な情報が表示されるフルディスプレイモードと、回転数とスピードの必要最小限の情報が表示されるスリムディスプレイの2モードがあり、ボタンを押すとディスプレイが回転する。
センターコンソールのタッチスクリーンはドライバーの方に角度が付けられており、重要な操作はドライバーの手の届くところにあるように設計されている。
720S Spider | 720S スパイダー
2018年12月8日にオンラインで発表された720Sのオープントップモデル。

日本ではアジア初公開として、2019年1月28日に東京都中央区にあるクロスドック晴海で初公開された。
日本での新車価格はスタンダードで3,788万8,000円、パフォーマンスとラグジュアリーは4,106万9,000円だった。
2022年にマイナーチェンジが行われ、新車価格は3,930万円となった。
デザイン
マクラーレンのスパイダーモデル伝統のフライングバットレス(飛び梁)を採用し、フライングバットレス部分はガラスになり、視界向上につながっている。
スパイダーになったことにより、2つのバットレスの間にはウインドディフレクターを備えており、必要に応じて車内のボタンから開閉できる。

ウインドディフレクターが広いおかげで、後方視界が向上している。
ルーフはオプションでエレクトロクロミック・ガラスが設定されており、透明度を3段階で変えることができる。

ルーフがなくなったため、12Cから続くシングルヒンジ式ディヘドラルドアが採用された。

メカニカル
エンジンとトランスミッション、足回り、車載システムはクーペと同じ。
モノケージIIを改良したモノケージ II-Sと名付けられたモノコックは、スパイダーにするためにフロントからリアにかけてのセンターピラーがなくなったが、モノケージIIの特徴であるバスタブ構造により、一切の補強をせずにクーペと同等の剛性を有している。

モノケージII-Sのリアには、新しいカーボンファイバー製になったROPS(ロール・オーバー・プロテクション・システム)が一体化され、軽量化と安全性の両方を実現。
ルーフはカーボンファイバー製のリトラクタブルハードトップ(RHT)で、特許を取得したリトラクタブルハードトップシステムのおかげで開閉時間は11秒と、650Sスパイダーより6秒速く、50km/hまで操作可能である。
最高速度はルーフを閉じた状態で341km/h、オープン時の最高速度は325km/hだが、ダウンフォースはフライングバットレスなどの空力コンポーネントのおかげで、オープン時のほうが増加する。
720S MSO Apex Collection | 720S MSO エイペックスコレクション
2019年9月26日にヨーロッパの顧客向けに720S パフォーマンスをベースにMSOが5種類のデザインを施し、計15台限定で発表された。
エイペックスコレクションの名は、カーブで最も重要といえるコーナーの頂点(Apex)に由来し、ヨーロッパの5つのサーキットに敬意を表している。
イギリスでの価格は288,813ポンド(約3,850万円)だった。 また、各オーナーにはパドックへの立ち入りを含むF1レースのVIPパスが贈られた。
デリバリーは同年10月から開始された。

デザイン
エクステリアカラーは、コーナーの縁石を表現するためにSillica White(白)かMenphis Red(赤)の塗装が施されている。リアホイールの前にある”Apex Collection”の文字がこのモデルを表している。

エアインテーク、サイドミラー、アクティブ・リア・スポイラーはビジュアルカーボンファイバーとなる。
ホイールアーチには超軽量の鍛造10本スポークホイールが装着される。
MSOアクセサリーの中から、エクステンデッドカーボンシフトパドル、カラーコントラストセンターマーク付きアルカンターラステアリング、専用アクセルペダル、MSOキーキャップが付属する。
メカニカル
車載インフォテインメント・システムには、ドライバーがラップタイムを記録できるマクラーレン・トラック・テレメトリー・システム(MTT)を搭載。
3台のカメラが車両とドライバーの動きを記録し、クローズド・サーキットでのドライビングを集中的に分析することで、ドライバーのスキルアップをサポートする。
インテリア
シートは、カーボンファイバー製レーシングシート。
MSOエイペックス・コレクションでは、オプションのトラック・パックが標準装備されるため、シート後方にはチタン製ロールバー、6点式ハーネス用のベルトアタッチメントポイントも装備される。
ドアを開けると、カーボン製のシルに刻まれた文字が5つの異なるデザインテーマの1つを表している。 カーボンファイバー製サイドシルに刻まれているスピードは、マクラーレンのテストドライバーが各コーナーの頂点で記録した速度になっている。
サイドシルの中央上部には専用の車内プレートが備わる。


~Apex Great Britain | エイペックス グレートブリテン~
刻印は110mp/h(177km)で、720Sがシルバーストーン・サーキットのアビー・コーナーの頂点で記録した速度。 (右ハンドル2台、左ハンドル1台)
~Apex Germany | エイペックス ドイツ~
刻印は85mph(136km/h)で、720Sがホッケンハイムリンクの旧スタジアムセクションに続くモービル1・カーブの頂点で記録した速度。(右ハンドル1台、左ハンドル2台)
~Apex France | エイペックス フランス~
刻印は104mph(167km/h)で、720Sがポール・リカール・サーキットのシニュ・カーブの頂点で記録した速度。(右ハンドル1台、左ハンドル2台)
~Apex Belgium | エイペックス ベルギー~
刻印は103mph(165km/h)で、720Sがスパ・フランコルシャンのオー・ルージュの頂点で記録した速度。(右ハンドル1台、左ハンドル2台)
~Apex Italy | エイペックス イタリア~
刻印は90mph(145km/h)で、720Sがモンツァ・サーキットのパラボリカカーブの前にあるアスカリ・シケインの頂点で記録した速度。(右ハンドル1台、左ハンドル2台)
720S Le Mans Edition | 720S ルマンエディション
2020年6月17日に世界50台限定で発表された。
マクラーレンF1 GTRが1995年のル・マン24時間レースで歴史的な1-2-3フィニッシュの達成から25周年を記念したモデル。
車体番号は、優勝したF1 GTRが達成したラップ数である298から始まる。
イギリスでの価格は254,500ポンド(約3400万円)だった。
デリバリーは同年9月から開始された。
デザイン
エクステリアカラーはマクラーレンオレンジ(ソリッドオレンジ)、サルトグレー(グレーメタリック)の2色が設定された。


ルマンエディションでは、標準でブラックのルーフスクープ、カーボンファイバー製フロントフェンダールーバー、オレンジのロゴが入ったゴールドのブレーキキャリパー、F1 GTRをオマージュした5本スポークホイール、ロアボディパネルに25周年記念のル・マンロゴペイントされたとなる。 また、ロワボディサイドやリアバンパー、フロントバンパーの下部が優勝したF1 GTR 59号車と同じウエノグレーでペイントされる。

インテリア
インテリアは、エクステリアのカラーオプションと同様に、ブラックのアルカンターラ製レーシングシートが標準装備され、マクラーレンオレンジまたはダヴグレーがアクセントとなり、ステアリングのセンターマークもアクセントカラーと同色になる。


ヘッドレストとフロアマットには、25周年記念のル・マンロゴが刺繍される。

オプションのトラック・パックが標準装備されるため、シート後方にはチタン製ロールバー、6点式ハーネス用のベルトアタッチメントポイントも装備される。
720S Daniel Ricciardo Edition | 720S ダニエル・リカルドエディション
2021年12月8日にマクラーレンF1チームのダニエル・リカルドがイタリアGP(モンツァ・サーキット)で優勝したことを記念し、3台限定で発表された。3台すべてがダニエル・リカルドの出身地であるオーストラリアで販売された。

マクラーレン・シドニーとマクラーレン・メルボルンがオーダーした
デザイン
優勝したMCL35M F1マシンと同じ、パパイヤオレンジがメインカラーで、バートンブルーがアクセントのカラーリングとなる。
ドアパネルにはオーストラリアの国旗とレースナンバーがあしらわれている。
ロワボディサイドやリアバンパー、フロントバンパーのピンストライプ、サイドミラーなどがバートンブルーでペイントされる。

ブレーキキャリパーはブルーにホワイトでロゴが入っている。
インテリア
カーボンファイバー製サイドシルにはダニエル・リカルドのサインが入っている。
インテリアは、ブラックがメインカラーで、アクセントとしてマクラーレンオレンジが入る。
シートはブラックのフルアルカンターラレーシングシートになっている。

スペック
エンジン | M840T 4.0L(3,994cc) 90°V8 DOHC ツインターボ |
最大出力 | 720PS(7,500rpm)/770Nm(5,500rpm) |
最高速度 | 341km/h 325km/h(オープン時) |
トランスミッション | グラツィアーノ製7速デュアルクラッチ(SSG) |
駆動方式 | RMR | リアミッドエンジン 後輪駆動 |
0-100km/h | 約2.9秒 |
車重、乾燥重量 | 1,419kg、1,283kg(クーペ) 1,468kg、1,332kg(スパイダー) |
ホイールベース | 2,670mm |
ドア | ディヘドラルドア(バタフライドア) |
生産台数 | 不明 |
デザイナー | フランク・ステファンソン、ロバート・メルヴィル |
販売期間 | 2017年~2023年(クーペ) 2018年~2023年(スパイダー) |
先代 | 650S (スパイダー) |
後継 | 750S (スパイダー) |
乗っている有名人
ノブシコブシ吉村が黒の720S スパイダーに乗っている。4,300万円ほどしたそうです。
個人的見解
ようやくP1ルックではなくなり、新世代のマクラーレンとしてデビューを果たしたのが720Sだった。インテリア、エクステリアともに必要なものしか備わっていない。その気取らないスタイルが、エクステリア以外にもこの車をよりかっこよく見せていると感じる。私はP1ルックの車たちより、720Sからのデザインのほうが好き。
現在の中古価格は、2,300万円~3,800万円となっている。グレードも重要だが、オプションでかなり金額が変わるため注意が必要。フロントリフターもオプションのため、まれに入っていない車両も存在する。