この車について
2003年のIAA(フランクフルトモーターショー)で8C コンペティツィオーネ コンセプトが初公開された。

IAAでの好評を受け、2006年のモンディアル ド ロトモビルで8C コンペティツィオーネの生産を発表し、市販モデルが初公開された。
日本での新車価格は2,200万円となった。日本では50台の配当の予定だったが、あまりにも予約が多かったため70台に増やされた。
名前の由来
「8C」の名は、1930年代~1940年代に様々なレースで活躍した8Cから、「コンペティツィオーネ」の名は、1949年と1950年のミッレミリアに参戦し、3位を獲得した1948年に製作された6C 2500 コンペティツィオーネからきている。


デザイン
8C コンペティツィオーネ コンセプトは、ヴォルフガング・エッガーがアルファロメオのデザイン部門であるチェントロ スティーレを率いてマセラティ3200GTをベース車両に使いデザインした。フロントグリルから始まる2本のラインは、1950年代~1960年代のアルファロメオのデザインをオマージュしている。
~コンセプトとの違い、エクステリアカラー~
コンセプトとのエクステリアの最大の違いは、リアヒンジ付きボンネットである。細かな変更点としては、キセノンランプを採用したフロントライト、標準装備のワイパーシステム、メッシュのサイドベント、クローバー型デザインのホイールなど。
カラーはアルファ・レッドとブラックが標準が標準で、パールイエローとコンペティションレッドもオプションで用意された。それ以外にも、追加料金でPTSカラーが用意され、マセラティのカラーとフェラーリのカラーからも選ぶことができ、幅広いカラーバリエーションから選択可能となった。

~メカニカル、組み立て~
エンジンはフェラーリとマセラティが共同開発したF136型エンジンをマセラティがチューニングしたF136YC型エンジンが使われた。このエンジンは排気量が4.7Lに上げられ、最高出力は450馬力を7000rpmで発揮し、最大トルクは480Nmを4,750rpmで発揮。最大トルクの80%を2,500rpmで発揮する。レッドラインは7,500rpm、レブリミッターは7,600rpmと高回転型に仕上がっている。トランスミッションはフェラーリ(F1マチック)やマセラティ(カンビオコルサ)と同じものとなり、Qセレクトと名付けられた。
A.T.Rグループ製のカーボンファイバー製ボディシェルは、ITCA Produzione製のスチール製シャシーに組み合わされた。最終組み立てはモデナのマセラティ工場で行われた。
8C Spider|8C スパイダー
2005年にペブルビーチ・コンクール・デレガンスで、8C コンペティツィオーネのオープントップモデルである8C スパイダーを発表した。このスパイダーコンセプトは、カロッツェリア・マラッツィによって製作された。
2007年9月25日、セルジオ・マルキオンネによって8Cスパイダーの生産が決定された。スパイダーはコンペティツィオーネ同様500台の限定生産になると発表された。
2008年3月のジュネーブモーターショー市販モデルが正式公開された。

世界的不況により最終的な生産台数は329台のみとなった。
日本での新車価格は2,650万円だった。
~メカニカル、クーペとの違い~
大きな違いは、開閉可能なソフトトップを持っていることである。ソフトトップは、約20秒で開閉可能となっている。
8Cスパイダーの最高速度は車重が90kg重くなった影響もあり、クーペより2km/hい290km/hになった。ブレーキはブレンボ製カーボンセラミックブレーキが標準搭載されている。50:50の重量配分にするため、クーペよりもカーボンファイバーを多用している。
製造は8Cコンペティツィオーネ同様マセラティ工場で行われた。
スペック
エンジン | マセラティ製 F136YC 4.7L(4,691cc) 90°V8 DOHC 32バルブ |
最大出力 | 450PS/480Nm |
最高速度 | 292km/h(クーペ) 290km/h(スパイダー) |
トランスミッション | 6速セミAT(Q-Select) |
駆動方式 | FR |
0-100km/h | 4.2秒(クーペ) 4.4秒(スパイダー) |
車重 | 1,585kg(クーペ) 1,675kg(スパイダー) |
ホイールベース | 2,646mm |
生産台数 | 500台(クーペ) 329台(スパイダー) |
販売期間(受注) | 2006年~2007年(クーペ) 2007年~不明(スパイダー) |
生産期間 | 2007年~2009年(クーペ) 2008年~2010年(スパイダー) |
デザイナー | ヴォルフガング・エッガー(チェントロ スティーレ) |
個人的見解
2000年代初期のアルファロメオの中で最も綺麗なモデル。1960年代のアルファロメオを現代に表現したフロントデザイン、滑らかなラインで仕上げられたボディサイド、フェンダーラインが美しく見えるテールデザインとこれぞ曲線美というデザインが施されている。そして、ボディデザインだけでなく、マセラティ製の自然吸気4.7L V8エンジンは、純正でもいい音がする(動画でしか聞いたことない)。まだ実際に見たことはないが、一日中眺めていられると思う。スパイダーよりもクーペのほうが好み。
現在の価格は3,000万円~4,500万円となっており、ここ一年でかなり上がった。新車で買った人からしたら買取価格的に、イコールぐらい?だが、中古で1,000万円代の時に購入された人はかなりプラスになっている。価値は絶対に下がらないため、所有しておく価値はあると思う。